本日は、一度は聞いたことがある、有名な科学雑誌「Newton(ニュートン)」が、民事再生法の適用を申請したという、驚きのニュースが流れました!
雑誌ニュートン発行元、負債20億円 民事再生申し立て
科学雑誌「Newton(ニュートン)」を発行する「ニュートンプレス」(東京都渋谷区)は20日、東京地裁に民事再生法の適用を申し立て、地裁から保全処分と監督命令を受けたと発表した。信用調査会社によると、負債総額は約20億円に上るという。
引用元:朝日新聞デジタル
「Newton」も「民事再生」も、聞いたことはあるけど、イマイチよく知らない・・・という方のために、少しだけわかりやすく解説します。
科学雑誌「Newton(ニュートン)」が、民事再生申請
そもそも「Newton(ニュートン)」って?
画像:「Newton(ニュートン)」2017年2月号
■日本のナショナル・ジオグラフィックを目指して創刊
「Newton」は1981年、故・竹内均氏を編集長に迎えて創刊した。竹内氏が、東京大学教授を退官するに当たって「アメリカのナショナルジオグラフィックみたいな雑誌を日本にも出したい」として、出版社に持ち込んだ企画だったという。
豊富なカラー写真・イラストを使って、科学を分かりやすく解説する雑誌として人気を博し、帝国データバンクによると、アジアを中心に海外でも版権収入を得るなど、2011年9月期の売上高は約17億600万円にもなっていた。
引用元:ハフィントンポスト日本版
もちろん、万有引力の法則を発見した「アイザック・ニュートン」が、編集長ではありません!その名を冠し、科学技術に対する研究や、その普及を目的に、創刊された雑誌です。
最高発行部数は、約40万部を誇ったこともあり、「わかりやすい文章」「わかりやすい写真」の数々が、理科の教科書の上級版として、科学好き少年の心をくすぐったりしたものです。
しかし、昨今の出版不況に販売部数が伸び悩んでいたようで、そんな最中、元社長が逮捕されてしまいました。
ニュートンの元社長が、出資法違反容疑で逮捕
2017年2月17日には、元代表らが定期購読者に対して「タブレットを使った教材の開発に出資すれば確実にもうかる」などと持ちかけて違法に金を集めたとして、山口県警に出資法違反容疑で逮捕された。このため再建を断念せざるを得ず、民事再生手続きを申し立てたという。
引用元:ハフィントンポスト日本版
この事件をきっかけに、本日「民事再生」の運びとなったようです。
「民事再生」って?
「民事再生」とは,住宅等の財産を維持したまま,大幅に減額された借金を(減額の程度は,借金の額,保有している財産によって異なります),原則として3年間で分割して返済していくという手続です。
減額後の借金を完済すれば,住宅ローン以外の借金については法律上返済する義務が免除されます。民事再生は,自己破産のように借金全額の返済義務がなくなるわけではありませんが,自己破産のように高価な財産(主に住宅)が処分されることもありません。
また,自己破産の場合,生命保険募集人等一定の職業に就けなくなりますが(資格制限),民事再生の場合はそのような職業に対する制限はありません。引用元:弁護士法人アディーレ法律事務所
簡単に言うと、借金を帳消しにする代わりに、資産が強制処分される「自己破産>」と違って、借金は減額されるものの払わなければならず、そのかわり資産の処分がないのが「民事再生」です。
よくニュースなんかで「民事再生」と聞くのは、企業が多いですが、個人の申請もできます。家や仕事道具などを失うことなく、立て直して頑張るための制度ですね。
「Newton」も、雑誌の発行を継続しつつ、立て直しを図るようです。
「雑誌『Newton』刊行継続のご報告」と題するプレスリリースを2月20日に公開いたしました(公式Webサイトで公開したPDFを画像化したものです)。 pic.twitter.com/eWFraCYADo
— 科学雑誌Newton(ニュートン)公式 (@Newton_Science) 2017年2月20日
まとめ
CDも本も、モノが売れない時代。
特に出版不況では、こういった教育・研究目的の雑誌・本が、一番アオリを受けている気がします。デジタル化し、しっかり収益を上げていかないと、第二の「Newton」が、また出てしまう気がしますね。
僕自身、デジタル書籍を買うことも増えたけど、やっぱり紙で見る文や画像も、大事だと思います。デジタルでしっかり収益を確保しつつ、モノとしての本も継続していってほしいですね
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